2020.4.20
飯館村の地域おこし協力隊の活動をしながら、ボタニカルキャンドルアーティストとして福島の草花を使い、沢山の人たちの心に希望の明かりを灯している”工房マートル”の大槻美友さんの元へ行きました。
大槻さんとの出会いは2020年11月。
飯館村を舞台としたイベント”山の向こうから”に出店した際に、そのキャンドルの美しさやものづくりに対する想いに感動して、イベントが終わった後もご連絡をさせていただきました。
ぜひ一緒にテキスタイルを使ったあたたかなキャンドルを作りたい!という想いを受け取って頂き、このような機会が実現することができました。
飯館村の古民家を自らリノベーションしたアトリエは、沢山の種類の美しいドライフラワーに囲まれた、あたたかな空間でした。
ただアトリエに着くまでは、本当にあるのかな?と思わず考えてしまうような山の中、田んぼの中にあります。一見、長閑な風景ではありますが、よく見ると何年も使われていない田んぼや汚染物質を詰め込んだ黒い物体が並び、飯館村の現状や大槻さんの活動に対する覚悟や苦労を感じます。
福島県相馬郡飯館村は、震災による福島原子力発電所の事故から強い放射線濃度のため全民が避難をした村です。現在では、少しずつ避難解除となり村人が戻ってきていますが、10年も経ち新しい場所で暮らしている人、高齢となり帰ってくるのが難しい人も多くいるため、当時のような活気は無くなってしまいました。
わざわざ何でこんな所に?と言われながらも、強い思いを持って活動をする大槻さんのキャンドルは力強く、草花の生命力を感じます。
火を灯していない状態では、花びらが立体的に浮き出ており、草花の細かな葉脈までもを感じるとても繊細な美しさを。火を灯すと、オレンジ色の光がふわっと広がり、草花の輪郭が見え幻想的な美しさを。
どちらの表情も、花の生産者の方の気持ちや大槻さんの想いも重なって、特別に美しく感じます。
この度は、ご紹介した工房マートルとnitoritoのコラボキャンドルを制作する事となりました!
ボタニカルキャンドルではなく、テキスタイルキャンドルと言ったところでしょうか。
nitoritoのストールに使用しているウールや綿の糸を入れたり、余った生地をいろいろな形に切ってみたりと試行錯誤しながら制作しています。
“残糸”や”ハギレ”も私にとってはnitoritoの大切なテキスタイルです。新たな形でみなさんの暮らし中にあたたかな光を灯すことができると思うと、とても幸せです。
発売のご報告まで、今しばらくお待ちください〜!
nitorito斎藤
工房マートル
ボタニカルキャンドルアーティスト
大槻美友
instagram / @atelier.myrtlee