wadachi の STORY

「このストールのはじまりは、雪道から。」

nitoritoのストールには、米沢の風景や自然、文化から発想した柄を落とし込んでいます。
“wadachi”はその名の通り、轍がモチーフの柄。

米沢は山形県内でも有数の豪雪地帯と言われるほど、冬になると朝から晩まで雪が降り続き、辺りは真っ白で周りが見えなくなります。雪が止んでも路面が凍結しツルツルとして不安定。どこを歩いたらいいか分からない時は、人の歩いた跡や車が通り雪が削られた場所を探して歩きます。
米沢に移り住むまで気にしたことのなかった、生活の足跡。雪が降ると、この足跡を頼りに歩き、また自分の歩いた跡も誰かの頼りになると思うと、自然と歩き方も力強くなります。
雪道にたくさんの足跡が作られ、また雪が降り積もる。そしてまた、足跡ができる。
雪国ならではの生活の重なりをグラデーションのブロックを使ってストールに落とし込み、その中に轍のような一筋のラインを描きました。
このラインはストール全体に走り、首に巻いたり肩に掛けたり、使い方によって差し色としての効果を発揮します。

nitoritoのストールを通して、人との関わりを豊かなものに。

「買ってから楽しむ、ひと工夫。」

私たちの提案するストールは、全て天然繊維由来の素材で作られており、4辺には余計な縫製をせず、切りっぱなしの仕様になっています。この切りっぱなし仕様を可能にするためには”ウールの特性”がポイントとなっています。
ウールは羊の毛ということもあり、とても優れた素材です。保温性はもちろん、撥水性、防臭効果、そして空気中の水分を吸収し発散することで蒸れを防ぐ効果もあります。また、ウールは土に埋めると微生物に分解され、土に還るサスティナブルな素材です。
一方で、デメリットもあります。それは、縮みです。素材の性質上絡まりやすいため、水に濡れた状態で力が加わると繊維同士が固まっていきます。洗濯機でセーターを洗うと縮んでしまうのはこの事が原因と言えます。
nitoritoのストールはこのデメリットを生かし、縮絨加工(フェルト化)を行い、繊維を固める事で切りっぱなしでも過度な力を加えない限りほつれてこない仕様となっています。この加工はとても難しく、一歩間違えると固いフェルトになってしまいますが、職人の確かな技術により、ウール繊維を程よく絡め、柔らかな風合いを最大限に感じるストールが出来上がります。

wadachiのストールは、手元に届いてからひと工夫をする事で、自分だけのオリジナルストールになります。ハサミを使ってフリンジの長さを変えたり、腕を通す穴を作ったり。nitoritoのストールだからこそ出来る楽しみ方です。
最初に、フリンジの長さ調整について。購入時にはフリンジ止めが付いています。これを本体製品から切り離すことでフリンジがバラバラになります。お好きな場所にハサミを入れて自分好みの長さのフリンジを作る事が出来ます!
次に、腕を通す穴について。ストールの両側に小さな穴が並んでいます。この穴はガイドラインとなっていて、穴の繋ぎ目をひとつづつ切っていくことで大きな穴となり、腕が通せるようになります。両方に穴を作ることで、首回りに巻くだけでなく、ポンチョのように着る事が可能に。私たちの提案する身に付け方以上に、商品が届いてから、みなさんにストールの可能性を見出してもらいたいという思いも込めてこのような仕掛けを作りました。 nitoritoのストールを通して、布を切るという”コト”に挑戦し、オリジナルストールを創造する”トキ”を楽しみ、日々の生活が豊かなものになりますように。